Hello ＆ Welcome ! 皆さんこんにちは。
アメリカの片田舎から、【心を育てるガーデナー】のさやリンです。
オレゴン発、暮らしに役立つ植物やハーブ活用法、心を育む絵本の事を発信しています。
秋が訪れると、オレゴン州の大自然がキノコ狩り愛好家たちを魅了します。その中でも特に最近人気があるのが「松茸狩り」です。アメリカ人は、松茸の事を、略して、MaaTsuu（マーツゥ）と呼んだりもします。日本では高級食材として知られる松茸が、オレゴン州の森林で採れると聞けば、興味を持つ方も多いですよね。私もその一人！このブログでは、オレゴン州での松茸狩りの楽しみ方、注意点、そしておすすめの場所についてご紹介します。
日本 vs アメリカの松茸
まず、日本の松茸とアメリカの松茸には、いくつかの特徴的な違いがあります。
日本の松茸 Tricholoma matsutake（トリコローマ・マツタケ）
アメリカの松茸 Tricholoma magnivelare（トリコローマ・マグニヴェラーレ）
と言うように、近縁ですが、同じではありません。でも味、香りはしっかり日本の松茸です。違いはというと、アメリカの松茸は、直径２０センチほどの傘が大きく開くものもあり、色も全体に白くて乾いた印象です。
あと、松茸が育つ周りの樹木が違います。日本の場合、アカマツやクロマツの林に自生するのが一般ですが、アメリカでは、北西部のダグラスファー（ベイマツ）などの針葉樹林で見られるとのことですが、南オレゴンでは、Madrone（マドローン）や、常緑樹の Oak（オーク）などの樹木の根本で見つかることが多いです。
アメリカの松茸の９０％は、海外、特に日本へ輸出されるという貴重なキノコ。それらの違いを知ったうえで、では、オレゴンで松茸狩りに出かける前に知っておく事を紹介します。
松茸狩りの前に知っておく事
季節とタイミング
オレゴン州で松茸が採れる時期は、通常9月下旬から11月上旬までです。天候やその年の気候条件によってピークは異なるため、現地の情報を確認するのが重要です。私の住む南オレゴンは、雨が本格的に降り始め、霜が降りる時期の10月中旬から11月半ばまでと、北のエリアや海沿いの場所に比べて採取時期も短く、遅いです。
必要な許可
これは、採取前の大事なチェックポイントです。
オレゴン州の国有林で松茸を採る場合、多くのエリアで**収穫許可証（Harvest Permit）**が必要な場合があります。この許可証は地元の森林管理局（US Forest Service）で購入できます。ちなみに、許可証は、個人使用の場合と、商業目的の場合と値段や収穫量に違いがあります。さらに複雑なのは、US Forest Service のエリアの管轄によって、収穫許可証の条件が違うという事です。個人目的の場合、他のキノコの収穫許可は要らないのに、松茸に関しては、別途記載されています。ちなみに、おすすめスポットに挙げた場所３か所とも、条件が違うので、必ずそのエリアのウェブサイトで確認してくださいね。
最新情報！
私が地元で松茸狩りをする場合、Rogue River-Siskiyou National Forest という管轄になるので、そのウェブサイトを見てみたのですが、ハッキリと記載されていなかった為、電話で問い合わせをして教えてもらった事をこちらに記載します。（11月８日 2024現在）
まず、このエリアで松茸採取する際には、個人目的、商業目的に関係なく、許可証が必要です。
私は、個人目的で採取したいので、その旨を聞いたところ、松茸の収穫重量制限に関係なく、５日間有効で＄２０だそうです。これは商業目的の人も同じそうですが、発行できる許可証の数もあるようです。松茸のもっと採れる他のエリアでは、規制が異なり、個人目的と商業目的を分ける為に、採取後その場を去る前に、松茸を半分に切るという事を義務付けられています。
何年か前には、個人目的の場合にこのような規制がなかったので、毎年キノコを採取する前に最新情報を手にいれましょう。
とにかく、この広いオレゴンの森林なので、Forest Service の警察官に出会う確率はかなり低いですが、森の生態系をきちんと守る上の規制でもありますし、許可証を持たずに、運悪く警察官に捕まってしまった場合、その松茸の価値の何倍もの罰金を課せられてしまい兼ねないので、ルールは必ずきちんと守りましょう。
松茸狩りを楽しむための基本情報
必要な持ち物
- 地図とGPS：森林内は広大で迷いやすいので必携です。
- キノコ用ナイフ：採取のための専用ナイフ。幅が1インチ（約2.5cm）、長さが18インチ（約45cm）以内のナイフ。
- 通気性の良いカゴ：松茸を湿気から守る為と、採取しながら、飛んだ菌で種まきの助けにもなるそうです。
- 雨具や防寒着：秋の山は天候が変わりやすいので注意が必要です。
- ガーデン手袋：落ち葉をのぞいたり、採取する際にあると便利です。
- 熊手などの所持は禁止 : 森林の地面をかき乱したり損傷を与える為。
松茸狩りの注意点
１．環境保護を意識する
自然を守るため、必要以上の採取は避けましょう。また、松茸の生える環境を壊さないように、次の方法で採取を心掛けてください。
まず、松茸が落ち葉層の下に作る盛り上がりを見つけてください。その際に、道具を使わずに慎重に土を取り除き、松茸の地下の菌糸（菌体）を傷つけないよう、本体のみを収穫します。松茸が見つかっても、そうでなくても、採取後は穴を土で覆うことで、地中の菌体を保護することができます。また、古くなった松茸などは、森に置いていく。このような小さな行動が、健康な松茸の個体群を維持し、将来も採取を続けられる手助けになります。
２．毒キノコに注意
松茸に似た毒キノコが存在します。経験が浅い場合は、必ず専門家と一緒に行くか、キノコの鑑定を受けるようにしましょう。
３．クマや野生動物への配慮
山では野生動物と遭遇する可能性があります。大きな音を立てたり、スプレーを携行するなどして安全対策を講じましょう。
松茸狩りのおすすめスポット
ウィラメット国有林（Willamette National Forest）
オレゴン州中央部に位置し、松茸が豊富に見つかることで有名なエリアです。森林管理局のウェブサイトで収穫可能なエリアや規則を確認できます。
スィサロー山地（Siuslaw National Forest）
海岸沿いの湿潤な地域に広がる森林で、松茸やその他のキノコがよく採れます。海に近い環境での松茸狩りは、また特別な体験です。
ローグリバーシスキュー国有林（ Rogue River-Siskiyou National Forest）
オレゴン南部に位置し、美しい景観とともにキノコ狩りを楽しめるエリア。初心者でも比較的見つけやすいと言われています。
採った松茸の楽しみ方
収穫した松茸は、新鮮なうちに調理するのが一番です。収穫した日の調理法はシンプルに松茸を薄切りにしてグリルで焼いて、ポン酢でいただく！これに限ります。少し形が悪いものは、お吸い物や炊き込みご飯にすると、その香りと旨味を存分に楽しむことができます。沢山収穫できた際は、乾燥させて保存する人もいますが、松茸特有の香りが薄くなってしまうので、長期間にわたって風味を楽しむのであれば、薄切りにして冷凍する保存方法も一つです。そうすれば、松茸シーズンが終わった後も、松茸料理を楽しめます。
アメリカでは、日本の松茸料理の知識がないので、ある時地元のメキシカン料理屋さんに季節限定の松茸タコス、名付Matsu Taco (マツタコ）なるものがメニューにありましたが、私は流石、食べる気にはなりませんでしたが、
友人曰く、”Delicious!” だったそう。（笑）
まとめ
もし、松茸狩りのハードルが高い！と感じる人は朝市（ファーマーズマーケット）などで、この季節、必ずキノコを売っているブースがあるはずです。私の町でも、いつも松茸や、他のキノコを売りに来るおじさんがいて、先日松茸３つ入りで＄５でした。松茸の値段も、グレードが６段階あり、傘が開いていない小ぶりなものが一番価値が上がり、傘が大きく開いていると値段も低くなります。
オレゴン州での松茸狩りは、日本では味わえないスケールの自然の中で楽しむことができる特別な体験です。
必要な準備と知識をしっかりと整え、ぜひ挑戦してみてくださいね！
それでは、オレゴンから愛を込めて、
Until the next time !
さやリンでした。
