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Dear Naturalist 今月のナチュラリストさん、日本ガーデンセラピー協会理事&アロマプロデューサー

Hello & Welcome !  皆さんこんにちは。

オレゴンから、【心を育てるガーデナー】のさやリンです。

Dear Naturalist~自然を愛する人達へというポッドキャスト番組で、

自然に寄り添った暮らしをしている世界中のナチュラリストさんをインタビューしています。

Dear Naturalist ポッドキャストを聴いてみる

2024年もあと1か月を切りましたが、皆さんのお庭も冬支度を迎えているでしょうか?

さて、12月のDear Naturalist ナチュラストさんお一人目は、日本ガーデンセラピー協会の理事であり、長年メディカルアロマの芳香療法の研究をされているアロマプロデューサー川人紫(かわひとゆかり)さんです。

庭から始められるセラピーとは?

そして、医療における芳香療法など、

予防医学の一つとしても、注目が集まります。

このブログやポッドキャストでお伝えしている内容は、あくまで教育目的であり、医療や治療を目的としたものではありません。健康や症状について気になる点がある場合は、必ず医師免許を有する専門家にご相談ください。

photo credit to 日本ガーデンセラピー協会
目次

今月のナチュラリストさん紹介

Dear Naturalist エピソード#117 のゲストは、

庭からはじまる豊かな健康生活~川人紫(かわひとゆかり)さん

一般社団法人 日本ガーデンセラピー協会 理事、

桜サイエンスビューティー(株)代表取締役、

1994年アロマセラピー用精油の輸入卸の会社を立
ち上げる。1997年、日本アロマセラピー学会初代事
務局長に就任後、医療施設にアロマセラピーを導入
する活動を始める。Ph.D.(学術博士)物質生命科
学専攻。熊本大学客員教授、東京家政学院大学
非常勤講師、筑波学院大学客員教授。

紫さんの経歴とガーデンセラピー協会設立の経緯

紫さんは、日本ガーデンセラピー協会の設立メンバーとして、2016年の設立当初から理事を務めており、協会の高岡伸夫理事長とともに、発起人として、ガーデンセラピーを世界中に広めたいという思いで、協会を立ち上げられたそうです。もともとは、1994年にアロマセラピー用エッセンシャルオイルの輸入や商品開発を行う事業で起業されたそうですが、、現在は、そのアロマセラピー事業を行う桜サイエンスビューティー株式会社の代表取締役、そして、2023年の6月に医療従事者と一緒に自律神経の研究開発を行うヒューマンテクノ株式会社を立ち上げて、そちらの代表取締役副社長も務められているという輝かしい経歴を持たれている紫さんです。

ガーデンセラピーとは?

ではガーデンセラピーとは、どんなセラピーなのでしょうか?

ガーデンセラピー(日本語では庭園療法)とは、お庭の植物や自然環境を活用して、心身の健康を促進して、ストレス軽減やリラクゼーション、さらには認知機能や社会的スキルの向上を図る自然療法の一つと認識していただければよいと思います。

園芸療法はイギリスで生まれて、世界中に広まっている療法ですが、園芸療法は色々な作業を要するのに対して、ガーデンセラピーは単にお庭で過ごすことだけで療法になるいう所が、園芸療法との大きな違いだと思います。ですので、体が不自由で体を動かすことが難しい方でも、ガーデンセラピーを行うことができるという、そこが大きな特徴なのではないかと思います。

ガーデンセラピーの特性

1.リラクゼーション効果

自然の中で過ごすことで心が落ち着いて、ストレスや不安感が軽減される効果があるので、植物や自然の触れ合いが日常の忙しさから、一時的に解放される感覚をもたらすことができる。

2.認知機能の向上

日本は、認知症になる方がとても多く、社会問題の一つにもなっています。特に高齢者において、ガーデンセラピーは認知機能の維持や改善に寄与されると考えられる。

3.身体機能の向上

園芸療法とも共通しますが、ガーデニング作業は、適度な運動が伴います。それで身体の筋力維持やバランス感覚の向上に寄与できる。

4.社会的スキルの向上

ガーデンセラピーは集団活動や地域社会での参加を促進し、他者との交流を促す機会を提供します。孤独感の軽減やコミュニケーションスキルの向上にもつながる。

事例:

バラの花を見ただけで、いわゆるリラクゼーション効果が起こったり、ラベンダーや芝生に佇むだけで、血圧の高い人は下がって、血圧低い人は上がるという、もう単なる雰囲気でいいなというだけではなく、エビデンスとしても、実証されてきています。

ガーデンセラピーは、お庭にいるだけで効果を受けられるという点では、皆さんが入りやすいセラピーですね。そして、ガーデンにいることは、五感を刺激することにもなりますね。

庭が予防医療の場であること、それを無理なく生活に取り入れる方法として、ガーデンセラピーを住まい方療法と呼んでいますね。その5つのカテゴリーが、「園芸療法」「森林療法」「食事療法」「芸術療法」「芳香療法」。これらの両方をを統合的に実践していくという事なんですね。

ガーデンセラピーコーディネーター資格制度

この資格は、2級、1級と分かれており、私は2020年に、たまたまガーデンセラピーコーディネーターの資格制度の事を知ったのですが、あの当時オンラインで受講できる講座は2級のみ。でも現在は、2級、1級ともに、月一をベースにオンラインで受講が可能になり、昨年私も1級の認定を受けました。

日本ガーデンセラピー協会認定ベーシックコース

ガーデンコーディネーター2級

ガーデンセラピーコーディネーター2級はガーデンセラピーを正しく学ぶ基礎コースです

受講料:12,000円(税込) ※テキスト・他教材代含む

定員:各回 30名(先着)

受講方法:WEB会議ツール「Zoom」を使ったオンラインセミナー

対象者:ガーデンセラピー入門者一般、将来この分野に就業したい方、現在の仕事にガーデンセラピーを生かしたい方、興味で、趣味でなど

日本ガーデンセラピー協会認定ベーシックコース

ガーデンコーディネーター1級

ガーデンセラピーコーディネーター1級は、ガーデンセラピーを理解し実践する業界従事者向けコースです

受講料:22,000円(税込) ※テキスト代含む

定員:各回50名(先着)

受講方法:オンライン(eラーニング)

対象者:ガーデンセラピー入門者一般、将来この分野に就業したい方、現在の仕事にガーデンセラピーを生かしたい方、興味で、趣味でなど

*ガーデンセラピーコーディネーター1級 「修了証」は、修了試験を受験し、合格した場合に限ります。さらに、「認定証」を希望の場合は、「課題レポート」を提出し、合格する必要があります。
課題レポートは、形式・注意事項等を守ったうえで課題内容について論じ、提出期限内に提出する。

ガーデンセラピーコーディネーター1級、2級資格制度の詳しい日程、詳細をクリックする

あわせて読みたい

著者:岩崎 寛 教授(千葉大学大学院園芸学研究科)

発行:グリーン情報

ページ数:196ページ

著者:高岡伸夫氏 (株)タカショー代表取締役社長、

         日本ガーデンセラピー協会理事長

発行:幻冬舎

ページ数:201ページ

医療における芳香療法

住まい方療法の項目の中でも、特に、紫さんは芳香療法が専門だと思うのですが、アロマと医療について教えていただけますか?

芳香療法は英語だとアロマセラピー、フランス語ではアロマテラピーと言われていて、世界中に知られている自然療法の一つで、嗅覚、またはマッサージなど、肌などから取り入れることによって心身の健康を保つ、もしくは心身の不調を改善するといった効果が科学的に実証されています。

1997年に日本で、日本アロマセラピー学会という学術団体が設立されました。そこで医療従事者でない、右も左もわからない私がその設立メンバーの初代事務局長になり、アロマセラピーを医療の場に広めようということで、全国の医者、看護師、助産師、薬剤師、鍼灸師、そういった国家資格を持つ医療従事者の方々に伝える活動をしてまいりました。

その後、97年には多くの方々が、アロマセラピーのデータを積み上げ、今ではかなりの数の科学的なエビデンスが積み上がってきています。今は中国など他の国も論文出されているんですが、日本もおそらく世界の中でも五本の指には入る数の論文がアロマセラピーに関して書かれています。

紫さんがアロマに興味を抱いた理由や、現在代表を務められている桜サイエンスビューティーを経営されるまでの人生ストーリーを教えてください。

最初、起業前にガーデン関係の仕事に就きたいと思って、庭園の専門学校に通ったのですが、お庭の仕事は体力仕事でもあり、色々迷いがあった時期があって、自然や植物に関わりたいけれど、何をしたらいいんだろうと模索している時に、当時、日本ではほとんどアロマオイルの市場がゼロに近かったんですけれども、たまたま本屋さんでハーブオイルの本という名前の本を手に取った時に、これは面白いなあって思って、それで近所にたまたまハーブショップがありましたので、そこでラベンダーのエッセンシャルオイルを買って、ラベンダーのエッセンシャルオイルを嗅いだ瞬間にこれだ!と直観的にひらめいて、これで起業しようと思いました。

今はいろいろ、地方でヒノキを栽培したり、柚子を絞ったりしている会社が増えてきたんですが、日本ではエッセンシャルオイルを作ってる会社は当時なかったんですね。ですので、海外から輸入する為に、ジェトロへ行きまして、エッシェンシャルオイルを輸出している会社を調べて、フランスやイギリスのエッセンシャルオイル輸出をしている会社へ当時はメールがないので、片っ端から郵送で十通も二十通も手紙を送って、その中の一つの会社の担当者とご縁ができて、フランスの有機オーガニックのエッセンシャルオイルを扱い始めたという、そこが私の企業のきっかけでした。

どちらかというと、私はそのファッションというよりも、医療の中にアロマセラピーをしたいという気持ちで起業をしましたので、そのアロマセラピー学会との出会いというのは本当に大きなものでした。

紫さんの好きな植物は【桜】

紫さんの好きな植物は何ですか?

一番好きな植物はやはり桜ですね。会社の名前も桜サイエンスビューティーですし。

以前、桜の香りの研究をした時に、リラクゼーション効果や、アンチエイジングにも効果があることが明らかになって、一年に一回しか咲かない花ですけれども、桜は単なるリラクゼーションだけではなく、生きる力をも与えてくれるものなのかもしれないと思ってからは、一番好きな植物になりました。

事例:末期がん患者さんに、桜から抽出した香りを嗅いでもらったところ、もちろん末期癌なので治らないですが、苦しそうにしていた患者さんが急に元気になって、ステーキを食べ始めたという例があります。

サクラは植物学上、バラ科、サクラ亜科、サクラ属の落葉高木または低木の樹木です。 サクラ属はサクラ、ウワミズザクラ、スモモ、モモ、ウメ、ニワウメの6亜属に分けられます。 一般にサクラとして鑑賞されている花の美しいものは、サクラ亜属に含まれているものです。桜の原産地は中国で、日本の桜は唐の時代に中国のヒマラヤ山脈から伝わったとされています。

さくら基礎知識参照

5年後の夢と展望

紫さんの5年後の夢や展望は何ですか?

5年後の展望として、まずは桜、ユズ、ヒノキといった日本の香りを世界に発信したいと思っています。

実は、昔から人々は、香宗教上の儀式などで香りを用いていて、キリスト教、イスラム教、仏教など、宗教を超えた共通の香りがあるんですよ。なので、宗教はいろいろ違えど、人々がやはり魂に響く香りというのは、もしかしたら共通してるんではないかと思うんです。

その共通の香りをさらに追求して商品化して、世界中に発信していけたら、世界平和の一助にもなってみんなその香りを嗅いで穏やかな気持ちになるかもしれません。

香りは昔からキリスト教や仏教もそうですけど、あの世とこの世を結ぶツールとして人々に認識されていたようなんですね。そういう世界共通の香り。人類共通の香りみたいなものを作っていけたらというのを今考えているところです。

香りが世界平和につながるっていうコンセプトは素晴らしいですね。他には展望ありますか?

抽出して商品化というだけではなくて、そのお庭にいるだけでその香りを季節を通して楽しむことができて、心が穏やかになっていくっていうような、香りの庭が作れたら理想ですね。

蒸留して作る香りとお庭で香りは全然違うので、やっぱり自然の香りをお庭では楽しむことができるので。究極の癒しのお庭をさやかさんに作っていただきたいなと思います。

まとめ

Photo credit to 日本ガーデンセラピー協会

実は、私と紫さんとの出会いは今から15年前くらい。海外の良質なハーブ買い付けのビジネスをされていた時に、オレゴンの有機ハーブを求めて渡米されました。その農場で、私が通訳を頼まれたのをきっかけに紫さんと席をご一緒したんです。それから15年後、今度は私が昨年認定を受けたガーデンセラピーコーディネーターの講座で、なんと紫さんが講師をされているではありませんか?遠い記憶をたどりながら、確かにあの時の紫さんだと確信し、今回インタビューの機会をいただけました。

香りで和らぐ」、「庭で創造する」、「育て収穫する」、「食事を楽しむ」、「鳥の歌声を聴くなど、

庭でできる豊かな健康生活は、AI化、IT化の時代だからこそ、益々私たちに必要なセラピーになるのではないでしょうか?

ガーデンセラピーコーディネーター資格制度だけでなく、職場の幸福度を高めるといわれるバイオフィリックデザインに関するセミナーや、全国の庭園でのワークショップなども開催されていますので、ぜひ、問い合わせをしてみてください。

日本ガーデンセラピー協会に問い合わせる

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